こんばんは。
現役MR、結婚出産を経て育休中のずーるです。
外回りをしているときの寒さも厳しいですが家の中でもきついもんはきついですね…
あと1週間ほど寒さとの戦いが続きそうです。
さて、今日は導出品導入品のお話。
以前の記事にも書きましたが薬一つ作るのには10~15年かかります。
もちろん多額のお金もかかるわけです。
なるべく自分の会社で作りあげた薬を売るほうがコストもかから利益も多い。
でも、そんなに頑張って作り上げたのに他の会社に導出することがあります。
なぜ他の会社に渡してしまうの?
会社は渡してしまっても大丈夫なの?
その疑問についてまとめます。
①自分の会社がその領域が得意ではない
薬を研究している段階で当初見込んでいた効果よりも他の効果がよかった場合
研究テーマを変えることがあります。
例をあげますと
『始めは高血圧の薬として研究していた。
しかし研究していくうちに骨粗鬆症にはさらに効果があることがわかった。
そのためその化合物は骨粗鬆症としての研究に切り替える。』
となる場合ですね。
今まで高血圧も骨粗鬆症も薬を出していてベースがあるなら問題ありません。
でも高血圧は扱ったことがあっても骨粗鬆症は全くベースがなかったら?
薬は特許との戦いです。
出るのが遅れれば遅れるほど利益は減りますし他の会社に先を越される可能性もあります。
そのためその分野が得意な会社に導出し、なるべく早く世に出すレールを整えます。
でも渡してしまったら利益はあるの??
これに関しては薬だけではないですが渡した側にはロイヤリティというお金が入ってきます。
それがなければ導出なんてしませんよね笑
この部分が大きいので導出してしまってもその部分はマイナスになりません。
導出されてしまったからと言ってこの会社危ないかも!とは思わなくて大丈夫です。
②パイプラインに薬が少なくてもいきなり追加になることがある
製薬企業のHPにはパイプラインという開発情報が載っています。
就活生はこれを会社の安定性として尺度にする方もいるのでは。
ただ、少ないからと言って危ないわけではありません。
今載っていなくてもいきなりPhⅢスタートで薬が追加になることがあります。
①にも書いたような状況がある場合ですね。
特にそういう場合は導入した会社の得意分野の薬であることが多いので会社としてはメリットです。
ということは逆もあるということです。
今PhⅠからⅢにたくさん薬があるとします。
入社したら半数まで減ってた、なんてことはよくあることです。
実際私が就職活動をしていたとき、「ここは問題ない」と思っていたところは半数以下にパイプラインが減っています。
一概にパイプラインだけでは図れないので気を付けましょう。
③導入品が多い会社は薬価では利益を判断できない
①でロイヤリティについて書きました。
そこから読み解くと導入品が多い会社はその分ロイヤリティを支払う必要があります。
MRが売る薬としてAとBがあるとします。
Aは1錠300円、Bは1錠100円。
ぱっと見はAをたくさん売ったほうがいいように見えます。
売り上げもそのほうがいいです。
ただ、Aは導入品。
実際かかってくるロイヤリティなんかを引いたら利益は50円にも満たなかったり。
そしてBは自社品。1錠売ったら90円利益。
そうすると会社としてはBを売るほうがいいわけです。
これがMRの何につながるかというと、ずばり
『ボーナス』です。
会社は会社のために利益を出した人にボーナスを出すわけですから。
MRはボーナスで年収が左右されてるところもありますのでこれは見極めなければいけません。
表面上の売り上げだけにとらわれてはいけませんよー
以上、導出品導入品のからくりでした。
言ってしまえば扱うもの全部が自社品であればなんの問題もないわけです。
ほとんどが自社品だという会社さんもあります。
この間見ましたが本当に素晴らしい社長さんの会社でした。
でも研究がされつくしてきた今、それはかなり難しいです。
生き残るために業界が必死ですが色んな視点で、企業を見ていきましょう!
では。